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百年、再生の我無し

40歳からの人生やり直し。

労働組合の限界(1)

労働

先月末、7年間勤めた会社を辞めた。

社員60人くらいの、県内のIT企業に自社のエンジニアを派遣する、ソフトウェア会社とは名ばかりの人材派遣業だった。

在職中は、その会社の労働組合の執行委員をやっていた。
そもそも、前の会社には長らく組合は無かった。ワンマン社長のやりたい放題だった。社内規定、就業規則など有名無実、社長の判断で恣意的な運用が横行していた。

 

あるときなど、「給与規定の見直し」という名目で、今月の給料が前月比で25%くらい、いきなり下げられた、ということもあった。事前の説明すらなかった。給与明細に説明の紙を添付しただけだった。
前月比25%減と言っても、もとが高ければまだいいだろうが、そういう訳ではない。30歳を超えているのに月給手取りで14万円とか、そういう社員がざらにいた。結婚はおろか、一人暮らしすらこれでは覚束ない。

 

社長は口を開けば、「経営が苦しい、売り上げが伸びない、だから給料は上げられない、これからもっと給料を下げるかもしれない」とばかり言っていた。「リーマンショック以来仕事がない」と、リーマンショックを過ぎて3年経った後もまだそう言っていた。
そんなに苦しいんですか、わが社の売り上げや粗利益は一体どのくらいなんですか、と訊いても、社長は頑なに業績の開示を拒み続けるのだった。仕方がないから、有志がわざわざリサーチ会社から情報を買ってみた。(なぜ自社の業績に関する情報を、わざわざ金を出して他人から買わねばならないのだろうか。)

そうすると、確かに年々売り上げと利益は落ちてはいるものの、それでも世間の水準からすれば立派と言っていいくらいの利益が出ている。なにせ、税引き後利益の売り上げに占める割合が15%~20%くらいなのだ。そんな状態で「売り上げが上がらないから昇給できない」というのは何をか言わんや、である。
それでもって、社員100人にも満たない中小企業のくせに、10億円にものぼろうかという内部留保(ほとんど現預金)を積み上げているのだった。
それでエンジニア派遣以外の新事業に投資するとかいう訳でもなく、社員にいくらか還元しようなどという動きはさらになかった。
漏れ聞こえてくるのは、社用車に高級車を含む3台もの車を買ったとか、社宅という名目で一等地に(おそらくは社長の一家用の)家を買ったとか、そんな話ばかり。

 

これではどうにもならない、ということで、有志で労働組合を立ち上げた。さすがの社長も、これで少しは態度を変えるだろう、今までのようなやりたい放題勝手放題に少しはブレーキをかけ、会社をいい方向に持っていけるかもしれない。

そう思っていた。

 

(続く)