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百年、再生の我無し

40歳からの人生やり直し。

名前を騙られるということ(1)

ネット

いつも定期的に読んでいたブログがあったのだが、そのブログ主が投稿を休止してしまった。
なんでも、そのブログ主のハンドルネームを騙って、よそのブログのコメント欄に中傷を書き込んで荒らす、ということをした輩がいたらしい。

それ以前にも、そのブログ主は、掲示板やツイッターなどで中傷されたり、ときには脅迫まがいのことまでされていた、という。
そのブログ主の文章は実に歯切れがよく、私はいつも読むのを楽しみにしていた。
ただ、そういう人は支持者も多いかわりに、往々にして敵も多くなる傾向がある。やはり心身ともに疲れていたのであろう、最近は更新頻度もかなり落ちていたが、それでも何とか気力を振り絞って続けている、という感じだった。

そこにもってきて、今回のなりすまし事件である。
我慢の限界を超えた、ということであろう。実に残念だが、心身の健康にはかえられない、やむを得ないとしか言いようがない。


これは私にとっても他人事ではなかった。なぜなら、私も昔、同様の目にあったことがあるからだ。


およそ6年前のことだ。

私はあるBBS(掲示板)を管理、運営していた。もともとは別の人が所有していたが、その人が病気でしばらく入院することとなり、特に頼まれてその人から管理をお願いされていたのだった。

そして、私が管理を譲り受けた前後くらいに、その掲示板にもしばしば投稿していたある人物とオフで会ったとき、感情的な行き違いが生じて少し気まずい感じになった、ということもあった。
(実のところ、このときは私はさほど気にも留めていなかったのだが、相手のほうは実はそうではなかった、ということが、後になって分かった。)

ある時、IPアドレスはその当の人物のものなのに、ハンドルネームは別名、という投稿が掲示板にあった。
投稿の内容は、私がある女性をもてあそんで捨てた、こいつは実に酷い奴だ、という趣旨の、私を糾弾するものだった。もちろん事実無根である。
その掲示板では、投稿者のIPアドレスは表には表示されず、管理者しかわからないようになっていた。その事実無根の投稿をした人も、自分が身元を特定されているともわからず、完全に別人になりすましたつもりだったのだろう。

それらの投稿は、あえて削除せず、そのままにしておいた。
いろいろ理由はあった。あわてて削除したらまるで「図星」の印象を与えてしまうようで嫌だった、というのもあった。あと、この手の荒らしというのは、こちらが慌てふためき、困惑するのを見て喜ぶものだ、ということを経験上知っていたから、こちらが何もこたえていない、平気だということをアピールしておく必要もあった。
もっとも大きな理由は「どんな理不尽な誹謗中傷を受けようと、ネット上で何か発言する上でのコストと心得る」という自分のポリシーに基づくものだった。
自分のポリシーに基づくものなので、自分以外の人間に関する誹謗中傷が含まれているものについては、見つけ次第すぐ削除したが。

掲示板荒らしは断続的に一カ月くらい続いたが、先方も目新しいネタも見いだせず、同じことを繰り返すしかなかったようなので、たぶん飽きてきたのだろう、自然と止んだ。


その後、一ヶ月くらいは平穏な日々が続いた。

ところがある日、私の名前を騙って、掲示板のほかの参加者への中傷誹謗を含んだ投稿があった。IPアドレスはその例の人物のものだった。
さすがにこれはポリシーとか言ってられずすぐ削除したが、削除しても削除しても投稿されるので、ついにその当該人物のIPアドレスをアクセス禁止扱いにした。
それで数日くらいは何もなかったので、やれやれと安心しかけたら、今度はプロキシサーバを経由して、また私の名前を騙って他人を誹謗中傷したり、どこかから猥褻な文章をコピペしたり、ということをしてきた。それも2件とか3件ではない、何十件も、である。猥褻コピペで何ページも掲示板が埋まるくらい。

その掲示板にはいちおうプロキシサーバ経由でのアクセスをブロックする、という機能がついていたのだが、効いている様子がない。
(BBSにバグがあることが後になってわかった。掲示板の運営会社に連絡したら、向こうも憂慮して「対応しますのでしばらくお待ちください」という返事が返ってきたが、その後、目に見えて対応されている様子は無かった。)
山のような猥褻コピペを片っぱしから削除しても、30分もしないうちにまた別の猥褻コピペで埋め尽くされるのだった。夜の午前2時から3時くらい、さすがに奴ももう寝ているだろうと思って削除したら、6時くらいに起きたらもう何ページもコピペで埋まっている。
こちらは仕事もあるから24時間ずっとは見ていられないが、あちらはほぼ24時間体制で掲示板を荒らしていた。
ぞっとした。

プロキシサーバブロック機能にバグがあるので、別の方法でアクセスをブロックしようと思い、次のようなことをした。
世界中各地にある様々なフリーのプロキシサーバからアクセスしているようなので、そうしたプロキシサーバのうち有名なものを調べてはリストアップした。そして、それらを直接アクセス禁止リストに書き込んでいった。
こうすると、だいたい1日くらいは荒らしのない平和な日になるのだが、1日が限度だった。次の日にはまた別のサーバ経由で中傷誹謗と猥褻コピペの嵐だった。新しくアクセスしてきたサーバをさらにアクセス禁止リストに追加すればその日は平和だが、また次の日は…終わりのないイタチごっこだった。
こうしたイタチごっこが2か月ほど続いた。

(続く)